新型コロナウイルス感染症により広がる教育格差!オンライン授業のメリットとは?

新型コロナウイルス感染症により広がる教育格差!オンライン授業のメリットとは?

新型コロナウイルス感染症の感染予防策として、多くの小学校・中学校・高等学校・大学・特別支援学校で休校の措置がとられました。

休校により生徒間で教育格差が生じていたことや、これからのWithコロナ時代の支えになるであろうオンライン授業のメリット、デメリットについて詳しく解説していきます。

政府による緊急事態宣言の発令

臨時休校の要請

新型コロナウイルス感染症の影響によって、令和2年2月28日に文部科学省から全国の小学校、中学校、高等学校、特別支援学校に対し、2020年3月2日から春休みまで全国の学校で臨時休校の要請がされました。

多くの学校で卒業式が中止になったり、参加人数を減らして卒業式を行ったりと新型コロナウイルス感染症の感染防止が徹底されました。

私も大学の卒業式が無くなりとても悲しい思いをした一人です。

緊急事態宣言の発出

そして、安倍晋三内閣総理大臣は2020年4月7日に、埼玉・千葉・東京・神奈川・大阪・兵庫・福岡の7都府県に向けて「緊急事態宣言」を発令し、2020年4月7日~5月6日の期間で国民の外出自粛を強く要請しました。

また、2020年4月16日には緊急事態宣言が全国へと拡大され、2020年5月4日には緊急事態宣言を5月末まで延長することが発表されました。

2020年5月25日の緊急事態宣言の解除に合わせて多くの学校でも休校が解除され、分散登校や時差通学、短縮授業などの形で段階的に学校を再開しました。

大学ではオンライン授業が主流に

現在(2020年7月2日)においても対面授業ではなくオンライン授業を実施している大学が多く、文部科学省の「新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた大学等の授業の実施状況」によると2020年6月1日時点で、授業を実施している大学のうち約60%はオンラインで授業が実施されていることがわかりました。詳細は以下の通りになります。

対面授業 対面・オンライン授業を併用 オンライン授業
国立大学 0校 23校(26.7%) 63校(73.3%)
公立大学 5校(5.0%) 29校(29.0%) 66校(66.0%)
私立大学 96校(11.7%) 256校(31.1%) 471校(57.2%)
高等専門学校 2校(3.5%) 14校(24.6%) 41校(71.9%)
全体 103校(9.7%) 322校(30.2%) 641校(60.1%)

参照:新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた大学等の授業の実施状況

また、6月1日の時点で対面授業とオンライン授業を併用している大学とオンライン授業のみを実施している大学のうち、全面的に対面授業を再開する予定の時期については以下の通りになります。

6月前半 6月後半 7月中 それ以降 検討中
国立大学 1校(1.1%) 0校 1校(1.1%) 17校(19.8%) 66校(76.7%)
公立大学 3校(3.2%) 5校(5.3%) 3校(3.2%) 16校(16.8%) 65校(68.4%)
私立大学 64校(8.8%) 59校(8.1%) 39校(5.4%) 182校(25.0%) 363校(49.9%)
高等専門学校 2校(3.6%) 12校(21.8%) 6校(10.9%) 17校(30.9%) 17校(30.9%)
全体 70校(7.3%) 76校(7.9%) 49校(5.1%) 232校(24.1%) 511校(53.1%)

参照:新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた大学等の授業の実施状況

全面的に授業を再開する予定の時期は約5割の大学で「検討中」となっていることがわかります。また約2割の大学は8月以降の時期としており、当面の間大学においてオンライン授業は続くと思われます。

休校による教育格差が約6割生じている

公益財団法人日本財団は2020年5月26日~5月28日にかけて、日本全国の17歳~19歳の男女を対象に「18歳意識調査 第26回-学校教育と9月入学-」の調査を実施した。

この調査によると、休校措置により教育格差を感じたと答えた学生は58.6%と過半数を占めました。詳細は以下の通りです。

Q. 休校措置により教育格差を感じる?
はい 58.6%
いいえ 15.8%
わからない 25.6%

学生が休校期間中に教育格差を感じた理由として学生は以下のことをあげています。

  • オンライン授業が始まったタイミングが学校によって違う
  • 学校がないために、塾に通っている学生とそうでない学生間で差が開く
  • 休校が延長された地域とすぐに解除した地域とでは差が開く一方
  • ネット環境が整備されていない家庭がある
  • 学校以外で勉強する習慣がない人は学習が遅れる

上記のようにオンライン授業の導入の時期や休校期間の差、家庭環境の違い、自宅学習の習慣などの面において教育格差を感じている学生がいるのが現状です。

教育格差をなくすためには

休校による学生間での学習遅れの打開策

同じく「18歳意識調査 第26回-学校教育と9月入学-」の調査によると、学生が思う学生間での学習の遅れの打開策は以下の通りになっています。

Q. 休校による学生間での学習遅れの打開策として何が考えられる?
オンライン授業を増やす 52.5%
夏休みなどの長期休暇を減らす 38.8%
9月入学の導入で卒業時期を延期する 25.9%
土日祝日も授業を行う 22.4%
学習指導要領を改訂しカリキュラムを減らす 20.8%
わからない 10.3%
その他 1.0%

上記のように、約半数の学生がオンライン授業を増やすことによって休校による学習遅れは解消できると思っていることがわかっています。

新型コロナウイルス感染症の第2波がきた場合

さらに、新型コロナウイルス感染症の第2波により、再度休校になってしまった場合、学習時間を確保するために以下のことが打開策として挙げられています。

Q. 再度休校が行われた場合、学習時間等を確保する対策として何が挙げられる?
オンライン授業の導入と整備 50.8%
家庭での学習を考慮した授業設計 16.6%
奨学金制度の充実 8.2%
生徒との連絡体制を密にする 6.9%
自主学習など低学年の学習内容の強化 3.6%
部活動の継続した実施方法 3.3%
わからない 10.2%
その他 0.4%

上記のように、約半数の学生は再度休校になってしまった場合、学習時間を確保するためにオンライン授業の導入と整備をした方が良いと考えていることがわかっています。

このようにオンライン授業は学生間での教育格差を無くし、ある程度の学習時間を得られると考えられています。

では一体、オンライン授業にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?

オンライン授業のメリット

オンライン学習のメリットは以下のことが挙げられます。

好きな場所で授業を受けられる

PCやタブレットなどの電子機器を用いて授業を遠隔で受けるため、自分の好きな場所で授業を受けることができます。

自分の生活リズムに合わせて授業を受けられる

事前に講師によって録画された講義動画を視聴する「オンデマンド形式」では自分の好きなタイミングで授業を受けることができます。

インターンやバイトで忙しい学生にとっては嬉しいですね。

学校までの移動時間を節約できる

学校に直接行って授業を受ける必要がないので当然学校までの移動時間はゼロになります。

今まで登下校に使っていた時間を自由に使うことができます。

チャット機能で講師に質問がしやすい

Zoomなどの「リアルタイム形式」の講義ではコメント欄が設けられています。

今まで手を挙げづらかった学生もコメント機能なら積極的に発言できるという人が多いのではないでしょうか?

オンライン授業のデメリット

長時間の電子機器の使用により健康を害す危険性がある

長時間、PCやタブレットを見つめることになるため、視力の低下や肩こり、腰痛など身体に異常をきたす危険性があります。

通信環境の影響を受けやすい

Wifi環境が整ってなかったり、ネットの接続が遅い地域もあります。

学生全員が平等に授業をしっかり受けれる体制をつくることができなければ意味がありません。

実習がある授業には向かない

理系の実験や医療系の実習科目等はオンライン授業を通した場合、実際に自分の手で作業をできないためしっかり学ぶことは難しいです。

テストで不正が可能

映像に映らないところに協力者がいればテストでの不正が簡単にできてしまいます。

また、顔を出す必要がない授業もあるため自分ではない人が授業を受けることも可能になってしまいます。

オンデマンド形式の授業では動画を溜めてしまう

自分でしっかり授業を受ける予定を立てない限り、講師によって録画された講義動画を視聴するオンデマンド形式では授業の動画や課題を溜めてしまうことになるでしょう。

最後に

新型コロナウイルス感染症の拡大により緊急事態宣言が発出されたことで全国の学校が休校に追い込まれ、第2波によって再度休校になってしまう可能性は十分にあります。

残念なことに休校の間で教育格差を感じていた学生が多いのは事実です。

当たり前のことですがオンライン授業の良い部分を伸ばし、悪い部分をしっかりと改善していくことがこれからの教育格差を小さくすることに繋がっていくのではないでしょうか?

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