海外の大学へ進学したい人や国際系の大学に進みたいと考えている方は、一度は「リベラルアーツ」について考えたことがあるのではないでしょうか?
この記事では、リベラルアーツとは何か、特徴について詳しくご紹介していきます。
リベラルアーツとは
日本ではリベラルアーツを「一般教養」と捉える人が多いと思います。
英訳すると「Liberal Arts」となり、「自由な学問」という意味合いであることが分かります。
もともと、リベラルアーツの起源は古代ギリシアにあります。この時代には「自由市民」と「奴隷」という身分が存在し、自由人になるために人を呪縛から解放するための「知識」や、「生きる力」を身につけるための学問としてリベラルアーツは誕生しました。(まあ要するに「自由に生きるための学問」みたいな感じですかね。)
やがてこの概念は古代ローマへと受け継がれ、言語系3学(文法・論理学・修辞学)と数学系4学(算術・幾何・天文学・音楽)で構成されている「自由七科」として体系化されました。
この自由七科が現在のリベラルアーツの元になっています。
リベラルアーツ教育の目的
この教育の真の目的は「現代社会で生きていくための自由な思考力を身につけ、人間的に発達するため」だと私は考えています。
今の社会で必要とされている知識は、文系・理系の枠組みを超えるものが増えています。
この教育では、文理の垣根を超えて学び、様々な学問領域を学ぶことを大事にしています。そこで幅広い知識を身につけることが出来ます。
現代社会においていかに生きるか、そのためには何をどのようにして学ぶのか。「柔軟な思考力・想像力・問題解決能力・コミュニケーション能力」を養うことがリベラルアーツにおける目的ではないでしょうか。
リベラルアーツ教育の特徴
リベラルアーツ教育には、以下の5つの特徴があります。
少人数授業
少人数授業によって、教授と生徒間の距離が近く、学生一人ひとりとしっかり向き合ってくれます。真に向き合うことによって学問は具体性を帯び、学生の知識は深まっていきます。
参加型授業
グループディスカッションを中心とした参加型授業が多く、生徒の積極的な発言・参加が基本です。なので教授が一方的に話すということよりも、教授と生徒間で対話することを重要視しています。
文理の垣根なく学べる
文理の分野関係なく幅広いフィールドの学問を学ぶことができます。
例を挙げると、日本のリベラルアーツの代表校である「国際基督教大学(ICU)」では、以下の学問が学べます。
人文科学:美術・文化財研究・音楽・文学・哲学・宗教学
経済・経営学:経済学・経営学
歴史学:歴史学
政治学・国際関係学:法学・公共政策・政治学・国際関係学
社会・文化・メディア:社会学・人類学・メディアコミュニケーション文化(MCC)
自然科学:物理学・生物学・化学・数学・情報科学
教育学・言語教育:教育学・言語教育
心理学・言語学:心理学・言語学
学際的なメジャー:アメリカ研究・アジア研究・開発研究・環境研究・ジェンダーセクシュアリティ研究・グローバル研究・日本研究・平和研究
また、入学時にあらかじめ専攻科目を決めないケースが多く、じっくりと焦らず自分の専攻分野を決めることができます。
チュートリアル
教授によるチュートリアル(個別指導の時間)があり、生徒はここで細かいサポートを受けることができます。
寮生活
寮生活そのものを教育の一環としてみているところが多いです。入居者である学生同士で寮の運営方針やルールなどを決め、そこには「対話」が繰り広げられます。
日本の主なリベラルアーツ大学
日本では以下の大学がリベラルアーツ教育を実践しています。
・東京大学
他にもリベラルアーツを導入している大学は増えてきているので調べてみてください!
アメリカのリベラルアーツカレッジ
アメリカ全土にあるリベラルアーツカレッジは600校程で、ほとんどが小規模(学生数1500人程度)です。
マサチューセッツ州に位置している「ウィリアムズ大学」はUS News and World Reportが発表しているリベラルアーツカレッジランキングでも常に上位にあるのは多くの人に知られています。
アメリカと日本で違うのはアメリカのリベラルアーツカレッジは大学院に進学することを前提としています。高い割合で大学院に進む学生の数が多いです。アメリカでは学部卒よりも大学院卒の方が価値が高いので、リベラルアーツ教育はとても重要視されているのが現状です。
最後に
日本人の我々にはリベラルアーツは馴染みのないものだと考える方も多いと思いますが、これからの日本の教育を変えていくために多くの人に目を向けてもらいたいと正直感じています。
大学進学で悩んでいる方はぜひリベラルアーツ教育をしている大学を選択肢に入れてみてください!